トランスの温度上昇を抑えて焼損を防ぎたい

トランスの温度上昇による影響

トランスはコイルに電流が流れる過程で熱を帯びていきます。
トランスが熱を帯び、筐体内部の温度が上昇してしまうと、基板に搭載されている部品が動作不良を起こしてしまうなどの弊害を引き起こしてしまいます。
製品の使用する環境や使用する部品によって許容可能な温度が決まり、その温度クラスのトランスを使用することになりますが、既製品のトランスでは製品の要求を満たすスペックやサイズ、温度クラスのトランスが見つからない場合があります。
そのような場合は、温度上昇を抑えたトランスをオーダーメイドすることも選択肢の一つとなります。

トランスの温度上昇を抑える方法

トランスは小型にするほど体積が小さくなり、熱を逃がす機構などを設けるスペースが少なくなるため、一般的にはトランスを小型化するほど温度上昇の抑制が難しくなるトレードオフの関係にあります。
本記事では、トランスの温度上昇を抑える方法を3つご紹介します。

方法①:太い導線を使用する

コイルに使用する導線の太さを大きくすることで、抵抗が下がり、電流が流れやすくなるためトランスに熱が溜まりにくくなります。
一方で、導線を太くすると突入電流(電源投入時に流れる電流)が高くなり、ブレーカーやヒューズなどの安全機構が落ちてしまいやすくなります。
導線を太くする場合、突入電流を抑える対策も必要になります。

方法②:通気ダクト(スペーサー)を組み込む

トランスの内部に、絶縁材で作ったスペーサーを入れて通気性をよくすることで温度上昇を抑えることができます。
空気の流れを作ることで、筐体内部の空冷ファンなどの恩恵をより多く受けられるようにします。
スペーサーのサイズは縦横10mmほどのものを使用するケースが多いですが、スペーサーを入れることでトランスのサイズ自体は大きくなってしまいます。
製品に許容されるトランスのサイズと、スペーサーを入れることによる温度上昇の抑制効果を見極め、スペーサーのサイズを決定します。
どれくらすのサイズのスペーサーをどのように組み込むかといった点で、トランス製造メーカーの知見、バックデータが物を言います。

方法③:巻き線の構造を変える

巻き線の構造を変えることも温度上昇の対策として有効です。
インダクタンスはコイルに巻き線をどのように巻くかによって特性が変化します。
通常は入力側から先に巻いて出力側を後に巻きますが、出力側を内側にして巻くことでインダクタンスが変化します。
また、巻き線の半分を入力側に巻き、もう半分を出力側に巻いてサンドするといった方法もあります。

トランスの構造自体を変える方法もあります。
通常は外鉄型が一般的であり、内鉄型は生産性に劣りますが、コイルが外側に向くため放熱しやすいという特長があります。

トランスの温度上昇対策は武蔵野通工にお任せください

上記以外にもトランスの温度上昇を抑える方法は多数あります。
当社ではトランスの小型化を得意としており、小型化に伴う温度上昇対策においても知見とノウハウを持っています。
トランスの温度上昇でお困りの際は、是非当社にお声がけください。

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