高周波・大電流トランスの温度上昇を抑えたい

高周波トランス特有の問題

高周波のトランスでは「表皮効果」によってコイルを形成する導線の外側にしか電流が流れません。
(周波数が低い場合は、導線全体に均一に電流が流れます)

高い電流を扱うトランスでは太い導線を使いますが、表皮効果によって太い導線を使用しているにも関わらず、導線の中心には電流が流れないという状態に陥ってしまいます。
導線の外側にだけ電流が流れることで、導線に熱が溜まりやすくなってしまい、トランスの温度上昇の原因となってしまいます。

表皮効果の影響を低くし、温度上昇を抑える方法

高周波・大電流トランスを製造する際には、リッツ線を用いることで表皮効果による温度上昇を抑えることができます。

リッツ線とは、細い導線を束ねて一本の導線にした特殊な導線のことを指します。
複数の導線が束になっていることで、内部の導線で表皮効果が発生しても、リッツ線全体で見れば均一に電流を流すことができるため、表皮効果による影響を抑えることができます。

しかし、リッツ線を使ったトランスの製造は通常の導線を使用するものに比べて製造難度が高くなります。
リッツ線は束にする一本一本の導線の細さと束数によって様々なバリエーションが存在し、製品の仕様に合った最適なリッツ線の選択が重要です。
また、リッツ線は縄のように複数の線が撚り合わさっているため、巻き付ける際には高い技術が求められます。
導線を接合する際のハンダの温度管理にも注意が必要です。温度設定を間違えてしまうと、リッツ線の中心部だけハンダのノリが悪くなってしまうなどの問題が起こります。
当社では、リッツ線のバリデーションごとに何℃のハンダに何秒つけるか、0.5秒刻みで規定を設けています。

高周波・大電流トランスの製造は武蔵野通工にお任せください

上記の通り、高周波・大電流トランスには温度上昇の対策など注意点が多々あります。
当社では、豊富なオーダーメイドトランスの製造によって培った技術とノウハウで、製造難度の高いトランスも安定した品質で製造することができます。
高周波・大電流トランスの製造でお困りの際は、是非当社にお声がけください。

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